背中を合わせて【完】
「ただ仲良くなるだけでよかったんだ。だから声をかけて未夜と毎朝話す時間を作った。」


「それだけかよ?」


零を睨む圭の目。


「それは俺が未夜が毎朝行ってる公園に行ってほしいって頼んだ後の気持ちだろ?お前が今未夜に対して思ってることは違うんじゃねぇのかよ。」


「俺が未夜と仲良くなったのは、圭の中で未夜の存在がなにかわかるまでは未夜のことを見ていようと思っていたから。」


「わかった。もうやめろ。未夜のいる公園に行くのは。俺が頼んだのはもう今日で終わり。」


圭は零も意外と頑固な部分があるんだと感じる。


加えて、零に未夜のいる公園を見てて欲しいと言ったことを後悔した。



(今はお前にとって未夜はいい存在になってると思ってたのに、どうせ俺のためにとか思って心を閉ざしてるんだろ?そんな零は見たくない。)



圭の考えていることは零にはきっと届かない。


零は今心の窓を開けていないから。
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