背中を合わせて【完】
「やっぱり俺のこと知らないよねー。」
「...知らない。」
全く知らない人かと思いきや、男の言葉で以前にも会ったことがあるのかと一瞬戸惑ったが、やっぱり見覚えはなかった。
(例えこの人が知らない人でも、知ってる人でも、人前で歌うつもりはない。)
そう思った女はギターをケースに入れ、重みのあるケースを背負って立つ。
男の方を振り返ることもなく公園の出入り口を目指して歩き出した。
「帰っちゃうの?まだ6時じゃないのに?」
女の歩いていた足が止まった。
「いつも6時に帰る事をなんで知ってるのって思った?」
女は足を止めても決して男の方には振り向かなかった。
答えようとしない女を見て、男が続ける。
「...知らない。」
全く知らない人かと思いきや、男の言葉で以前にも会ったことがあるのかと一瞬戸惑ったが、やっぱり見覚えはなかった。
(例えこの人が知らない人でも、知ってる人でも、人前で歌うつもりはない。)
そう思った女はギターをケースに入れ、重みのあるケースを背負って立つ。
男の方を振り返ることもなく公園の出入り口を目指して歩き出した。
「帰っちゃうの?まだ6時じゃないのに?」
女の歩いていた足が止まった。
「いつも6時に帰る事をなんで知ってるのって思った?」
女は足を止めても決して男の方には振り向かなかった。
答えようとしない女を見て、男が続ける。