背中を合わせて【完】
「私も零のことが好きだよ。大好き。どうしていいかわからなくなるくらいに。」



涙が頬を伝って落ちた。


結局零の前で泣いてしまったんだ。


抱きしめられたままの距離で、零は未夜の顔と向き合った。


近すぎる距離と、泣いてる顔を見られたくなくて、どうしようもなく恥ずかしい未夜。



「未夜には笑顔で見送ってほしかったけど、やっぱり無理だったね。」


「ご、ごめん!」



慌てて未夜は視線を地面に移す。


涙は止まりそうにないから、せめて泣き顔だけでも零に見えないようにと。
< 427 / 459 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop