背中を合わせて【完】
だけどそんな未夜の顔はすぐに零の手によって戻された。



「いいの。その涙は嬉しいから。」



そう言った零の唇が未夜のと重なって、更に未夜の瞳から涙がこぼれ落ちた。


ものすごく愛おしい存在。


お互いがそう思えてから長かったけど、今やっとお互いの気持ちがひとつになれた。


この上ない幸せな時間。


それでも、零が日本を発つ日が今日だということは間違いなかった。



「未夜。ひとつお願いがあるんだ。」
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