背中を合わせて【完】
「俺が圭に言われて公園に行き始めたころはまだ、未夜は圭の好きな相手だって自分に言い聞かせてたんだ。でもそんなこともいい聞かせられなくなったから、俺は公園にいる未夜に声をかけた。」



零は圭が今回未夜たちに協力したのは、零と未夜の仲を引き離したのが自分だと思っているからだと推測してた。



「だから今回のことで圭が悪かったことは何もないよ。むしろ裏切り行為ともとれる俺を思う存分憎んでねー。」


「零を憎いだなんて思ったこと1度もない。今も同じ。」



再び圭の視線は窓の外に移された。



「それよりも、日本も淋しくなるな。」



零がいない日本なんて、圭にとっては淋しい国だ。


そう当回しに言ってくれた言葉は、零にとってこの上なくうれしい言葉になった。
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