背中を合わせて【完】
そのベンチに彼は座っているんだろう。


未夜と背中を合わせたような形で。


そうイメージすると、目を開けて後ろを振り返った。


いつのまにか座っていた彼も、ベンチの背もたれに肘をつきながら振り返っている。


彼はちょっと大人びた顔になって、帰ってきてくれた。


しかも、未夜と零が初めて話したときと同じ場所、同じ言葉で。


そのままなにも言葉を交わさずに唇を重ねた。
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