背中を合わせて【完】
「おかえり。」


「ただいま。」



お互いが言葉を交わす。



「前に未夜は歌ってくれたよね。背中を合わせれば、見ている世界は違っても一番近くにいられるって。」


「う、ん。」



歌の歌詞まで零が覚えてくれていたことに恥ずかしさと嬉しさが募る。



「もうひとつ、いいことあるよ。」


「?」


「出会った頃を思い出すんだ。未夜の歌をこっそり聞いてたころを。あのとき既に俺は未夜が好きだったよ。」
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