背中を合わせて【完】
その様子を見て、香奈が心配そうな顔を見せた。



「まかないを家に持って帰ってくるってどういうこと?ちゃんと休憩の時間に食べてないの?」


「忙しいときはちょっとな。」



零は笑って話すけど、香奈にとっては全く笑える話じゃなかった。


それどころか、やっぱり無理した生活してるんだなと不安をあおるばかり。


香奈の悲しそうな顔を見て焦って零が訂正する。



「忙しい日が毎日続いてるわけじゃないから大丈夫だよ!最近はシェフが持ち帰り用のまかないも作ってくれるようになったから、食事の回数も増えたしさ!」



ちょっと苦し紛れだったかなと思ったけど、香奈はならいいけどと素直に信じてくれた。


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