背中を合わせて【完】
*****

公園に着くと、まだ未夜の姿はなかった。


時計を見ると5時になったばかり。


とりあえずいつものベンチに座った。


シャワーで温まった身体が、ひんやりとした朝の空気に熱を奪われていく。



(やっぱ涼しいな...。本当に風邪引いたらシャレになんねー。)



ベンチに座っているだけでは、どんどん熱を奪われるだけだと気づく。


公園を出てすぐにある自販機で温かいブラックコーヒーを買った。


いつも未夜の歌を聞いていたベンチに、寝転がる。


買ったブラックコーヒーは飲まずにただ握って暖をとるだけだった。




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