監禁少女
鈴木歩夢は、どこにでもいるごく普通の高校生だった。
友達と笑いあい、家に帰れば大好きな家族が迎えてくれる。そんな幸せな日々を送っていた。

そう、あの事件が起きるまでは。


「ちょっと出掛けてくるね。」
「うん、わかった。いってらっしゃい。」
そう言って両親を送りだした歩夢は晩御飯の準備をしていた。
今日の晩御飯はカレー。歩夢も両親も大好きなメニューだった。
「今日はビーフにしようかな!」
いつもよりちょっと豪華に作ったカレー。隠し味にチョコレートも入っている。
12月24日、今日は年に一度のクリスマスイブであり、歩夢の誕生日だった。

しかし、歩夢の誕生日を両親が祝ってくれることは2度となかった。
< 2 / 4 >

この作品をシェア

pagetop