夢みて何が悪い!




『あ、まだ居ないかな』


待ち合わせ場所の駅前の中庭
みたいなところにあるベンチに
腰を下ろす。


少しほっとしながら
まだ10分前の時計を見ながらため息をつく。



早くきて欲しい想いと
恥ずかしからきてほしくない気持ちが
こんがらがってため息ばかり。


『柚乃……?』


頭上から聞こえた声に
バッと顔をあげる。


『お、おはよう、』


やばい
今きっと顔真っ赤。


『やっぱ柚乃だ、学校と雰囲気ちがくて焦った。』


笑いながら横に腰をおろす。

雰囲気違うって、
似合ってないのかな


『に、似合わないよね、スカートなんて』


『え?全然?可愛いじゃん』



か、可愛いじゃんって


『はっ、顔真っ赤。かーわい』



うぅ、からかわれてるよね?
絶対からかってるよこれ。


でも、
可愛いなんて嬉しいなぁ、


『蓮斗だって、私服かっこいいじゃん』


『え、あ、どーも』


そう言った蓮斗は
立ち上がって

『いくぞー』


って歩き出す。


え、私なんか
だめなこと言っちゃった?





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