Un chat du bonheur
「フェリクス、寒い」

「あ…うん…」

フェリクスは渋々といった様子でレアの横に潜り込むと、いつもそうする様にレアの身体を抱きしめた。

「あったかい」

レアは微笑むと、フェリクスの胸に顔を埋めた。
太陽のようだ、と思う。
今だけは、彼の優しさにこうして我侭を言っても―…。


「レア…」

とくんとくんと、フェリクスの心臓が音を奏でている。
レアはその音を聞きながら、どうしたの、と声を掛けた。


「あのね…俺の話、聞いて」

何かを決意した様に、彼の声は震えていた。


―…怖がらないで


そう伝えたくて、レアは彼の身体を抱きしめた。
フェリクスは、同じ様にレアの身体を抱きしめ返すとぽつりぽつりと語りだした。


彼の“過去”を。





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