Un chat du bonheur
アパートの前までくると、部屋の電気は消えていた。
早く寝る、と言っていた。
きっと、呆れて先に寝てしまったんだろう。

立ち止まると、また寒さが身体を突き刺していく。

レアは震えながらアパートの鍵を開けて中に入った。


真っ暗な部屋の電気を付けると、にゃあと小さな声が聞こえた。

リュックは、フェリクスをケージに入れていないようだった。
うろうろと部屋の中を探してみて、違和感に気がつく。
何故、もっと早く気がつかなかったのかが、後になって悔やまれる程。


「リュック…?」


震える声で名を呼んでも、彼の返事は、ない。

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