初恋合戦
国子が気の毒なほど悩んでいるので、一芝居打ったのだという。
「あのテレビ生中継、ウソだったの?!」
にやにやと笑いながら、ロケ自体は本物だという。
どういうコネを持っているのかは誰も知らない。
「福江とふたりで、そこの兄弟が来るようにしむけて」
「なにー!?」
「ウチのおかあちゃんのパシリよりいいやろ?
三人寄れば何とやら。国子も心強いかなー、て…」
「初江ちゃん……っ」
スナオに感激する国子。
樫次はぶすっと反論した。
よっぽど悔しかったのだろう。
初江の変装を見破れなかった上に、
福江が前人未踏の変装破りをしたという新情報付きだ。
「福江にも都合が良かったからね」
再びにやり。
「うちの娘、大ちゃんにホレとるからな。」
「盛り上がってるところで悪いんだが……」
咳をはずしていた樫男が戻ってくるなりいった。
「大ちゃんが、病院から抜けだしたみたいだ」
「……っ!」
国子がふらぁっとくずおれたので、大人たちは色んな意味で大騒ぎになった。
「あのテレビ生中継、ウソだったの?!」
にやにやと笑いながら、ロケ自体は本物だという。
どういうコネを持っているのかは誰も知らない。
「福江とふたりで、そこの兄弟が来るようにしむけて」
「なにー!?」
「ウチのおかあちゃんのパシリよりいいやろ?
三人寄れば何とやら。国子も心強いかなー、て…」
「初江ちゃん……っ」
スナオに感激する国子。
樫次はぶすっと反論した。
よっぽど悔しかったのだろう。
初江の変装を見破れなかった上に、
福江が前人未踏の変装破りをしたという新情報付きだ。
「福江にも都合が良かったからね」
再びにやり。
「うちの娘、大ちゃんにホレとるからな。」
「盛り上がってるところで悪いんだが……」
咳をはずしていた樫男が戻ってくるなりいった。
「大ちゃんが、病院から抜けだしたみたいだ」
「……っ!」
国子がふらぁっとくずおれたので、大人たちは色んな意味で大騒ぎになった。