初恋合戦
「ねえ、大丈夫なの?」

「だいじょーぶ…」じゃ、なかったが一応そう答えた。

苺大福に「おんぶして」というわけにもいくまい。

看護師が…ホンモノの看護師が外出をとめようとしたのは、高熱のためだった。

排気ガスを吸い込んだだけで倒れそうだったが、なんとか堪える。

だって、二度と行けないかもしれないから。

どんな取り留めない出来事も、くだらない行事も…、

大には二度と来ないかもしれない。

「見えてきたわ、あれよ!」

「……………」

国会議事堂前は、それはもう、大変なことになっていた。

「…石油ショック再来?」

「妙に博学だなゴトウくん。」

「歴史は任せろ」

ポンポン飛び交っているのは雪玉ではなく、苺大福のようだ。

「福ちゃんはどこ?」

と、ここまで人間語を話す大福として活躍中のチナツ。

「あっちに…」

やんちゃさと負けず嫌いさが発揮されず、息も絶え絶えな大。

「クライマックスかぁ」

これは後半出番は少なかったがどうやらリーダーらしいイノセ。

「楽しかったな?俺たち。」

セリフを地の文にとられてばかりだったが性格できてるゴトウ。
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