初恋合戦
最初、東京に行くのはイノセだけの予定だった。
だが、お父さんが言ったのだ。
「ひとりだけというのも淋しいじゃろう。
三人ぐらいで行かせようじゃないか。折角だ」
「そうだねぇ……おまえたちは幸せだよ。
おまえたちの兄弟の中で、
そんな遠くまで旅できた子は数えるほどしかいなかったんだから」
お母さんも同意したが、イノセにはお父さんの思いやりが分かっていた。
イノセには、未来を見通す力がある。
たまにしか働かない能力だけど、これだけははっきりわかる。
自分たち三人は、最後には結局、一緒にいられる。
時に離れてしまっても、最後には。
だが、お父さんが言ったのだ。
「ひとりだけというのも淋しいじゃろう。
三人ぐらいで行かせようじゃないか。折角だ」
「そうだねぇ……おまえたちは幸せだよ。
おまえたちの兄弟の中で、
そんな遠くまで旅できた子は数えるほどしかいなかったんだから」
お母さんも同意したが、イノセにはお父さんの思いやりが分かっていた。
イノセには、未来を見通す力がある。
たまにしか働かない能力だけど、これだけははっきりわかる。
自分たち三人は、最後には結局、一緒にいられる。
時に離れてしまっても、最後には。