Happy christmas with you
「雨音さん、普段マフラーとかしてないよね?」

「えっ…あ、これは…。」


紗衣と女子の会話が聞こえてきて、反射的に耳がそれを拾ってしまった。


「もしかしてー…プレゼント?」

「えっと…う、うん。」

「きゃー!大翔センス悪くないじゃん!」

「柄も可愛いし、雨音さんに似合ってる。」

「ほ、ほんと?」

「あ、雨音さん顔が赤いー!」

「そんなこと…ないっ…。」


そう言ってさっきみたいに顔を半分マフラーに埋める紗衣。それは可愛い。


「雨音さん、大事にされてるんだねー大翔に。」

「…うん。すごく、大翔くんは優しいよ。」

「はぁー…恋する乙女はいいなぁー…。雨音さん、今日もものすごーく綺麗だし普段もすごい綺麗だけど、やっぱり大翔といるときは可愛いもん。」

「…そ、そうかな?でも…そうだったら…嬉しい。」

「かっ…可愛いー!雨音さん可愛い!」

「可愛い可愛い可愛いー!」

「ひゃっ!」


両サイドから女子に抱きつかれるなんて初めての経験なのだろう。顔がものすごく真っ赤で慌てている。でも、嬉しそうでもある。


「優しいってさー。」

「マフラー、あんなに喜んでくれるなんて思わなかったなぁ。」

「…優しくすんのも難しーんだけど、俺。どうやったら優しくできんの?」

「どうやったらって…んー…その質問に答えるのが俺には難しい。
というか、カンナちゃんはユウの優しさを求めてるわけじゃないっしょ。
会いたいだけなんじゃない。ってそれはユウも同じか。」

「大翔のくせに…なんか分かりきった顔してていらつくー…。」

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