Happy christmas with you

【ひなたside】


「っ…！」


目を開けると、すーすーという穏やかな寝息を立てる綺麗な顔が目の前にある。ここで悲鳴をあげなかった自分をちょっとだけ褒めたい。


「な…なんで私…っ…。」


背中に回った優しい手が私と佑介さんの距離をゼロにしようとしている。
眠っているはずなのに力は全然緩んでいない。嬉しいけど、ドキドキが加速して、眠気なんてどこかに飛んでいってしまった。


「ん…あ、…おはよう、ひなた。」


とろんとした表情で甘く囁く声がした。


「お、おはようございますっ！」

「…今日も可愛い。」

「へ？」


ちゅっと軽いキスが唇に落ちた。


「あっ…ゆ、佑介さん！」

「…キス、まだ…足りない…。」

「え、あっ…んっ…。」


再び重なる唇にどう抵抗すればいいのか分からない。一度離れてはまた重なって、そして離れて、でもまた寂しいとでも言うように甘く重なるキスに身体の力が抜けていく。軽く触れては離れ、触れるそのキスに頭もぼーっとしてきた。


「ゆ…うすけさ…。」

「ん…ってわっ！え、な…俺…うわ！ごめん完全に寝ぼけてた！」


佑介さんの焦点がしっかりと私に定まっている。…慌てて顔が真っ赤になっている佑介さんなんて、見るのは初めてかもしれない。