Happy christmas with you
「…なんだか眠い…。」

「寝ていいよ。ここで寝る?自分の部屋に行く?」

「…ショウ、一緒に寝てくれる?」

「え…?」

「ショウのベッド行こう?」

「…え…?」

「はーやーくー!」

「うわ、ちょっと…!」


俺の腕をぐっと掴んでぐいぐいとそのまま引っ張る。その手を払えないのは…仕方がない。


「夢、寝ていいよ。」

「…ショウは寝ないの?」

「…俺はどうすればいいの?」

「ぎゅーってして。」

「布団の中で?」

「そう。」

「…そしたら寝るんだよね。」

「寝るよぉ。」

「じゃあ…寝るよ、俺も。」


せっかくのクリスマスイブだというのに…酔っ払いの夢と一緒に寝るだけ…だなんて。(いやまぁ夢から抱きついてきたりキスをねだったりとある意味オイシイ展開もあったのだけれど)
そうは思うものの、仕方がない。現に夢は酔っ払ってしまっているのだから。


時計が指すのはまだ7時半。
…俺が眠れるわけはないのだけれど、夢が眠ってくれればそれでいい。


やたらに甘える夢の背中に腕を回し、ぎゅっと抱きしめるとまたしても夢は嬉しそうに目を細める。


「…おやすみ、ショウ。」

「おやすみ、夢。」


ちゅっという音を鳴らしたのは夢の方だった。
キスをして満足そうに瞳を閉じ、本当にすぐ、夢は眠りの世界に落ちていった。

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