Happy christmas with you
【夢side】


「ん…っ…!?」

「あ、…起きた?」

「な…なんでショ…ショウがここにって…ここ…ショウの…部屋…?」

「酔い、多少さめたみたいだね。」

「…酔い?」

「頭、ズキズキしない?」

「ちょっとだけ…。」

「そっか。ご飯食べてた時のこと覚えてるかな?」

「…あんまり…。ってなんであたし寝て…。」

「あ、えっと…夢、間違って俺のシャンパン飲んだんだよ。そしたら一気に酔っぱらっちゃって…で、水を飲ませて寝たってわけなんだけど…。」


…だとしたって、どうして今、ショウのベッドにいるんだろう?
ショウは…あたしに手を出さない。だからこうしてショウのベッドで寝るなんてことは初めてだ。
心臓がドクドクとうるさい。でも心臓がうるさく鳴るくらいには、ここはショウの香りで満ちている。


「なんで…ショウの…部屋…?」

「夢が一緒に寝たいって言ったから…。」

「は?」

「…あ、本当にいつもの夢に戻ってる。ちょっと待って。順を追って説明するから。ひとまず電気点けるよ。」


そう言ってショウはすっとベッドから出た。ショウが離れてもなおこれだけショウの香りに包まれているのは初めてで、心臓は全然鼓動を遅くしてくれない。


パチっと電気が点くと、夕食を一緒に食べていた時に着ていた服のままだった。…ご飯の途中までしか記憶がない。


「そんなに服を凝視しなくても、脱がせたりしないよ。…酔っぱらいを襲う趣味はありません。…夢には誘われたけど。」

「さ、誘ってない!」

「ほんの2時間前くらいまで甘えんぼだったんだよ、夢。」

「か、勝手なこと言わないでよ!」


頬が熱い。…必死になって否定すればするほど、ショウはニコニコと笑っている。余計に頬が熱くなる。

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