Happy christmas with you
「本当に戻っちゃってるし。」

「戻るも何もあたしは何も…。」

「はぁ…じゃあまずはちゃんと説明します。いい?」

「…うん。」


何だろう、嫌な予感しかしない。


「夢は俺のシャンパンを間違って飲みました。」

「…覚えてないけど、でもズキズキするってことは多分そういうことなんだと思います。」

「うん。それで、酔いが一気にまわって、酔った夢ちゃんは甘えんぼになりました。」

「なってない!」

「なったんだってば。まずぎゅーってしてとか子どもみたいに言い出して、で俺が水取りに行って飲ませようとしたら、飲んだらちゅーしてくれるとか言い出して。」

「言ってない!」

「言ったんだってば。覚えてないだろうけど。」


さらに頬が熱くなってきた。…もしショウが言ってることが全て本当だとしたら恥ずかしいどころの騒ぎじゃない。…今すぐ消え去りたい。


「そ、それで…?」

「それで、まぁちゃんと飲み終えたのでキスしたけど。」

「したの!?」

「だってせがまれたんだってば。あ、そう言えば襲っていいとも言われたよ。」

「言ってない!」

「だから、夢には多分記憶ないだろうけどね。…でも言ったの。好きにしていいって言ったんだよ。危うく押し倒しそうになりましたが、酔っぱらいを襲う趣味はないので我慢しました。…偉いだろ?」

「…そ、れは…まぁ…もし本当なのだとしたら期待させるようなことを言ってごめんなさい。」

「素直で大変よろしい!」


またにっこりと笑ってあたしの頭を撫でる。…ズキズキと痛いはずなのに、そんなのも感じさせないほどその手は温かくて優しい。

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