Happy christmas with you
「じゃあ俺も…夢、君だけのサンタクロースになるよ。夢、何が欲しい?」

「欲しい…もの…。」


それは、この世にたった一つだけ。





「…ショウの…全部。ショウがいてくれれば、…他には何も、要らない。」





優しさも笑顔も温かさも、全部全部、ショウがくれた。
泣きたい時も傍に居てくれた。だから、少しだけ強くなれた。





「夢…、せっかくの我慢が水の泡だよ。」

「きゃっ…!」





ピッとリモコンが押される音がして、電気が消えたかと思うと視界が反転した。
ショウがあたしの上にいる。…押し倒されて、いる。


月の光がやけに明るくて、その光だけが優しく部屋に降り注いでいる。


「夢の全部、本当にくれるの?」

「…それで足りる?…あたしがショウに貰ったもの、全部と。」

「余るよ。だから、俺のことも貰って。」

「…ちょうだい、ショウの全部っ…んっ…。」


言葉を飲み込んだのは、ショウらしくない、性急なキスだった。

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