Happy christmas with you
「紗衣、いつも首元寒そうだったから。」

「…これ、マフラー?」

「うん。前にチクチクする感じが苦手でって言ってただろ?だからチクチクしない感じの探したんだ。なかなかなくて大変だったけど、結構肌触り良いよ?ほら。」


俺は袋から取り出して紗衣の前に広げた。紗衣の白い手がマフラーに触れる。


「あ、ほんとだ…柔らかいし、チクチクしない…。」

「これなら大丈夫じゃない?」


俺は紗衣の首にマフラーを巻いた。苦しくならないように力を緩めながら。


「メリークリスマス、紗衣。どう?暖かい?」

「…暖かい…。」


紗衣が両手をきゅっとマフラーにあてて顔を半分だけ埋める。そんな姿はちょっと子どもっぽくて可愛い。


「ありがとう、大翔くん。」

「どういたしまして。あ、大丈夫?チクチクしない?」

「うん。これなら大丈夫。それに…デザインも可愛い。」

「あ、それは普通に嬉しい!ほんとに悩んだから。」

「大翔くんって人の物選ぶとき悩みそう…。」

「あ、ばれてる。」

「…あ、私もプレゼント、今あげる。」

「え、紗衣からもあるの?」

「だってクリスマスでしょ?」

「いやだってこういう時って彼氏が買ってあげるものかなーって。」

「買ってもらうばっかりとか嫌だよ。私だって…いっぱい悩んで…えっと、これ。」


紗衣がカバンから取り出したのは小さな袋。


「…開けていい?」

「もちろん。」


小さな笑顔がプラスされて、それだけでまたドクンと高鳴る心臓。それをぐっと抑えて袋を開けた。そこには…。

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