幼なじみと付き合った場合。
ラーメン定食を注文し、カウンターでラーメンをすする。


「そーいや、今日花咲旅館に学生が泊まるらしーな」


客のひとりがそんなことを、言い出した。


花咲旅館っていえば、彩花たちが泊まる予定の民宿だ。


「あそこ、学生がよく泊まるからなぁ。実はさぁ、男風呂から女風呂が丸見えの場所があんの、あんの!」


…なにっ!?


「へぇ~!それは知らなかった」


俺のとなりに座ってる男たち…


髪が汗で顔に張り付き、鼻の頭に水滴をうっすら浮かべた、メガネに小太りのヤツらが、楽しそうに話してる。


…マジかよ!!


俺はジッとその話を盗み聞き。


「ヒヒッ!男湯と女湯の境目が石垣で遮ってあるけど、ちょうど風呂桶の一番端から、見えるスポットがあって!

男湯の下に女湯があるから、女湯からはバレなくてさぁ~。たまにそこで目の保養すんの」


「マジっすかぁ~!?今度行って詳しく教えて、教えて!おっ、もう時間ないからそろそろ出る?」


そいつらが店を出てしまいそうだったから、慌てて話に入った。


「すんません!!今の話、もっと詳しく教えてもらえませんか!?」






俺のこの発言に、


カウンター前にいた店員さんも、


話しかけた男たちも、目を見張って固まった。


きっと…


今の俺は、ただの変態ヤローに思われたに違いない。


< 1,076 / 1,432 >

この作品をシェア

pagetop