幼なじみと付き合った場合。
ボーダーライン
伊織が立ちさったあと、あたしはお金を払ってすぐに5組の教室を出た。
その途中で伊織に会うこともなく、逃げるように出て行くあたしを、兵藤くんだけが笑顔で見送ってくれた。
そしてあたしは今……
3年生の教室でやっているクレープカフェで、松本さんと机を挟んで座り、向き合いながら話している。
「残念~……あたしがせっかく気をきかせた意味が、なかったんだぁ」
「もうっ、なんであんなこと……」
「だってね。最近の伊織くん……なんだかどんどん遠い人になっていくなぁって思って」
松本さんは机に頬杖をついて、プウッと頬を膨らませる。
「……遠い人って?」