幼なじみと付き合った場合。
彩花は膝に顔を埋め、ブルブルと顔を横に振る。




……そういえば最近は、ここまでヒドい雷雨に見舞われたことがない。




彩花って、お化けは嫌いだけど…雷も苦手だったっけ?




どうだったかあんまり覚えてねーんだけど、いつも強気な彩花が小さく見えて、なんだかかわいい。




「……俺にお願いするなら、一緒にいてやってもいーけど?」




彩花の方に足を向け、少しずつ近づいていく。




彩花の前まで来たとき……。














――ゴロゴロゴロッ!!バリバリッ!!ビシャーン!!!!




「いやーーーーーーーっ!!」




今日一番の稲光と共に、激しい雷鳴が轟く。




その音がもの凄かったからか、彩花が俺に抱きついてきた。




「伊織……怖いっ………」




同時に電気が消えて、リビングは夕闇に包まれる。




2階ではダチの笑ったり驚いたりしている声が、やたらと響いていた。



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