幼なじみと付き合った場合。
まぁ……それも、想定の範囲だけどな……。




「雷が止むまで…ココにいるか?帰るなら送ってってやるよ」




こんなところにいても仕方ないしな……。




俺はリビングの床に置いてある、たたまれた洗濯物の中から厚手のパーカーを引っ張り出し、上に羽織る。




一応、出かける準備を始めていると……彩花が思いつめたような暗い声で、俺の名前を呼んだ。









「伊織……」




「ん……」




「伊織なの……?」




は?




俺は俺だけど?って言いそうになって、踏みとどまる。




彩花は俺のパーカーの袖を掴み、ギュッと手の中で握りしめている。



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