幼なじみと付き合った場合。

「あたし……わかんない……ホントのことを教えて!?

合宿の日に溺れたあたしを助けたのって……伊織なの!?」




……なんでこのタイミングでその話なんだ!?



随分前のことだし、まさか彩花がそんなことを気にかけてるなんて、思いもしなかった。




「なんでそう思うわけ？朝野から……聞いた？」




アイツが絶対に言うわけないと思いつつも、一応聞いてみる。




「だって……ジャージが……あの日、あたしにかけてあったジャージ……あれって、伊織のじゃないの!?」












「今頃、気付いた？遅ぇーよ……」




俺は彩花を見下ろし、鼻で笑ってみせる。




つーかさ、あれを見て今までなんの疑いも持たなかったこと自体が不思議でしょうがない。




ちょっとは糸口掴めるようにしておいたのに、今の今までスルーだったしな？




「だって……わかんないよ。朝野くん……自分が助けたって言ってたし……」




だんだん目が慣れてきて、彩花の表情がハッキリと読み取れるようになってきた。



彩花は今にも泣きそうな顔をしていて……



必死に俺の袖を掴んだまま離そうとしない。