幼なじみと付き合った場合。
「……彩花が行けって言うから……来た」



俺はちょっとふて腐れた顔で、松本に訴える。



そしたら松本はクシャッとした笑顔を俺に見せ、駆け寄ってきた。




「そう…だったんだ……ゴメンね、迷惑かけて……」



「別にー。なに、アイツ?言ってたヤツって……」



俺は、廊下の向こうに消えた男を探すかのように廊下へ視線を飛ばす。



すると松本は首を横に振った。











「ううん、違う。さっき、出かけて行った……」



「そっか。俺……てっきり、なんかヤバいことになってんのかと思って。

ケータイでねーし、インターホンからガラスが割れるような音がしたから……」



「ああっ、ケータイ?部屋に置きっぱだった!さっき洗い物してたら、手が滑ってカップ割っちゃったの」



「……そっか……」



さっき電話かけてきたときには、すげー怯えてたのに、松本はウソみたいに安心しきってる。





< 621 / 1,432 >

この作品をシェア

pagetop