幼なじみと付き合った場合。
伊織と別れて、朝野くんと付き合う方が、楽しそうだな……。


そんなことを考える自分もいるけど、


だからって行動にうつすわけじゃない。


そこを、伊織にもわかってほしいんだけど……


あの調子だと、無理だよね。


今、こうやって話してること自体、大暴れの原因になる可能性、大だから。








「……って、全然ダメっぽいね。ハァ……チケットだけ置いて帰るよ」


朝野くんは苦笑いすると、スッと立ちあがった。


「これ、お金。足りるかな」


あたしはチケット代を入れた封筒を、朝野くんに手渡した。


「一緒に行くなら俺からプレゼントするつもりだったけど、俺に変な借り作りたくないよね?その顔は……」


「うん……もう……これっきりにしようかなって……」


チケットを持ってきてくれたのに、こんなこと言うってヒドいよね。


だけどあたしも、これ以上伊織を怒らせるわけにはいかないから……。


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