幼なじみと付き合った場合。
「うん……」


「そっかー。伊織、やたら機嫌悪いし。早く仲直りしてね」


上月くんはあたしにニコッと笑いかけると、また元の席に戻った。


仲直りって言われても……。


そう言われてみると、いつもケンカした後は、お互いゴメンねって言うこともなく、元に戻ってた。


きっと、帰る頃になればまたいつもみたく馴れ馴れしく話しかけてくるはず。


あたし……謝りたくないし、しばらくこのまま放っておこう。


伊織は上月くんと何やらコソコソ話してる。


あたしと一度目が合ったけど、思いっきり無視された。


う……やっぱり、ムカつく!






モヤモヤした気分でいると、歌い終わった朝野くんがあたしの隣の席にやってきた。


うわ……伊織の視線が怖い!


って思ってたら、伊織は別にコッチなんて気にせず曲を選んでいた。


しかも……となりには、さっき伊織を迎えにきた女の人が。


肩を寄せ合い、なんだか親しそうに話してる。



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