幼なじみと付き合った場合。
一日だけ貸して
自宅に帰る途中、浮かない顔のあたしを見てお母さんが心配してくる。



「彩花…どうしたの?アロママッサージ…合わなかったの?」



「ううん…なんでもない。あたし、このあと友達と約束してて…お母さん、先に帰ってて?」


「今から行くの!?ご飯はどうするの?」


「帰ってから食べる」


「あんまり遅くならないようにね……彩花……もしかして、彼氏ができたの?」


ビクーッ!!







伊織と付き合ってるって、まだ言ってなかった。


なんだか、ちょうどいいタイミングがなかったんだよね……。



松本さんはお母さんに彼氏の話をたくさんしてるみたいだし、ホントに仲がいいんだろうね。


ウチは……お母さんと、恋愛の話なんてしないからなぁ……。



「いない、いない!女の子と会うの」


「そうなの?まぁ……もし彼氏ができたら紹介してね」


朗らかに笑うお母さんを見て、


となりの家の、あの生意気な男です……って言いたくなったけど、


驚くだろうから……あたしはなにも言わなかった。



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