戦国より愛を込めて 【六花の翼・番外編】
君の名は
薄暗い空間に、かすかに差し込む日の光が届く。
細いその一線に、細かなほこりが浮いているのが見えた。
壁一面に棚がくくりつけられ、それらは全て本で埋め尽くされている。
一体、ここはどこだろう……
夢の中を漂う私には気づかない二人の人間が、
足の長い机に向かって、巻物を広げていた。
一人は銀髪に紫色の瞳。
浮世離れした美貌を持った青年だ。
何だか変わった服を着ている。
南蛮文化にかぶれたあの武将でも、持っていないだろう。
もう一人は黒髪の少女。
大きな瞳に、白い肌。
発育の良い乳を強調するような、薄い布の服を着ていた。
はしたない。体の線は隠すのが美徳というもの。
しかし……
彼女は見覚えがある誰かに似ている。
さて、誰に似ていたのだろう……。