戦国より愛を込めて 【六花の翼・番外編】
私は、そういう輩は一人残らず追い返した。
どうせ、「あなたは負けるから戦はやめなさい」と言っても、彼らはやめないのだ。
自らの野心を捨てきれないのが、武士という生き物。
それに戦は、武士だけではなく、下々の者まで巻き込まれる。
私は誰かに加担して、その者たちを苦しめるという重責を、
どうしても背負いたくなかった。
だから、誰の味方もしないと決めていた。
それからは、依頼人が減った。
私はそれでもかまわないと思っている。
食うに困ったら、家人全員で畑を耕して暮らそう。
そうなる前に、戦国の世が終わってくれればいいのだけど……。