戦国より愛を込めて 【六花の翼・番外編】
「夢見姫様、私にはお慕い申し上げている殿方がいるのです。
どうか、もう一度占っていただけませぬか」
「あー……でも……」
「姫、お見苦しゅうございます!あきらめなされ!」
お付の者にそう言われ、姫はまたわんわんと泣き出してしまった。
私の占いは外れたことがない。
わざと外してあげても良いのだけど、それは音羽家の信用問題に関わる。
ごめんね、貴方がおばあちゃんになるまで、立派な星見として生きていく姿が、
はっきり見えてしまったの……。
姫は泣きながら、帰っていった。
こんな日はいつも、虚しい気分になる。
占いの結果によっては、ああやって泣き叫んだり、怒り狂う者もたまにはいる。
そして誰もが、最後にはあきらめた顔で帰っていくのだ。
私を、憎んで、恨んで。
「休んでもいいかしら……
何かあったら、呼んでちょうだい」
「姫様……」
体は元気なのだけど、心はぐったりと疲れていた。
いつもより頭が重い。まぶたも同様。
そう言えば、昨夜は眠りを邪魔されたんだった。