戦国より愛を込めて 【六花の翼・番外編】
気づけば、私の両腕は博嗣を離すまいとしていた。
「姫様……」
「っ……どうしよう、博嗣……っ、
私のせいで、この家が、子供たちが、危険にさらされたら……」
「大丈夫です、姫様」
「どうしよう、守りきれなかったら……!」
私は今日、完全に東雲の国を敵に回してしまった。
妹たち、他の姫たちも霊力は使えるが、果たして実戦で役に立つかは怪しい。
もし、一斉攻撃されたりしたら──。
考えちゃいけない。
私はそれを現実にしてしまう力を持っている。
こんな力さえ、なければ……!
……そうだ。
こんな力さえ、なければ──。
「……博嗣……」
「はい……」
「……私の力、消してくれない……?」