戦国より愛を込めて 【六花の翼・番外編】
別人
あぁ……
またあなたたちなの?
いつの間に眠ってしまったのだろう。
私はまた、夢の中にいた。
目の前にいるのは、銀髪の青年。
それに、黒髪の少女……
しかし、以前とは様子が違う。
まず、二人がいるのはあの薄暗い空間じゃない。
そこは、自分の部屋に酷似している。
何の変哲もない畳の部屋だ。
そこに、布団が敷かれていた。
まだ外は、日が昇っていないようだ。
少女はその中で、すやすやと寝息を立てている。
彼女が寝返りをうつと、裸の細い肩がちらりと見えた。
銀髪の青年は、そんな彼女の横にひざまづき、布団をかけなおす。
ゆっくりと、優しく……。