戦国より愛を込めて 【六花の翼・番外編】
「博嗣……っ!?」
がば、と飛び起きると。
ごづん。
鈍い音と痛みが、額を襲った。
「いっ……」
「あう~!」
「薫……どうしてのぞきこんでたのよっ!!」
布団の横には、額を押さえてうずくまる薫がいた。
「だって、姫様うなされてたから……
予言なら聞き逃すまいと、なるべく近くにいたんですよぉ」
「それはわかるけど……」
そうだ、夢……。
あれはいったい、何の暗示だったのだろう?
二回も見るなんて、彼らは何者?
銀髪の、岡崎一族の青年。
それに、誰かに似た黒髪の少女。
彼女は『まりあ』と呼ばれた。
奇妙な名前ね……。