戦国より愛を込めて 【六花の翼・番外編】
「夢見姫、私たちの周りに結界を!!」
豊橋の目が見開かれる。
家来達が豊橋に駆け寄ろうとしたときには既に、
私は両腕を組み、念じていた。
(彼らの空間を閉ざせ!)
誰かが、博嗣に向かって鉄砲をむける。
しかしその弾は二人を包んだ結界に当たり、跳ね返った。
その間も私は、自分の周りの結界も維持せねばならず、
博嗣の怪我を治すまでの余裕はない。
早く、決着を……。
「く、そ……!」
「何を恐れる。お前は剣より、鉄砲の方が強いと思っているのだろう?」
じりじりと、博嗣の二刀が豊橋に近づいていく。
豊橋は鉄砲をかまえたまま、結界ぎりぎりまで下がっていく。
「鳴海義貞……っ、
死ねぇっ!!」
追いつめられた豊橋は、とうとう引き金に指をかける。