戦国より愛を込めて 【六花の翼・番外編】
未来のあなたへ


屋敷を燃やされてしまった音羽の一族は、

新しい屋敷ができるまで、西条の国に身を寄せることになった。


私と子供たちは西条の領主の城に招かれたが、丁重にお断りした。


西条の領主は人の良さそうな男だったが、深入りしたくなかったからだ。


私たち夢見の力は、権力者の心の毒になる。


やはり私たちは、外界と交わらず、今までどおり一族だけで暮らしていた方が平和だろう。


じゃあ、今はどこにいるのかというと……


うん、やっぱり博嗣の実家。鳴海家の屋敷でした。



「……誰が貧乏御家人の三男なのよ……」



子供達もあんぐりと口を開けて、鳴海の屋敷を見上げた。


その屋敷は音羽家の屋敷に勝るとも劣らぬ、立派な建物だった。


博嗣の家族は、私たちを快く迎えてくれた。


息子がお世話になったから……って。


そりゃそうよね。


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