戦国より愛を込めて 【六花の翼・番外編】
私にはわかるの。
敵襲があった朝に、見た夢。
最後に、あなたの姿が見えた。
立派な具足をつけたあなた。
あれはきっと、あなたの未来。
「やめてください、姫様!」
博嗣は私の肩をつかみ、顔を上げさせた。
見上げれば、苦しげな瞳のあなたが、そこにいた。
「忘れるなんて、できません」
「……わかってよ。
私は……
私のせいで、あなたがバカにされるのなんて、御免だわ」
あなたは愚かね。
素直で、真っ直ぐで、優しくて。
そんなあなたに、裏を読んでほしいなんて思ったのが間違いだった。
ちゃんと言わなきゃ、あなたにはわからないのね。