戦国より愛を込めて 【六花の翼・番外編】
「拙者は初めて姫様にお会いした時から、
あなた様をお慕いしておりました」
「……ええっ!?」
「そんなに驚くことでしょうか」
「驚くことでしょうよ!」
だって、そんなことを言われたのは、本当に初めてだ。
私の力を利用するために近づいた者たちは別として。
「だから、置いてほしいと土下座で頼んだのです。
本当のお歳を聞いても、
お子様が五人いらっしゃると聞いても、
あなたの元を離れることはできなかった」
「……嘘よ」
「なんで嘘など言わねばならぬのです。
一世一代の求婚だというのに」
博嗣は不満げな顔をした。
そして、とにかく、と言葉を繋げる。