戦国より愛を込めて 【六花の翼・番外編】
「拙者は、あなた様を愛しています。
どうか、拙者を婿にしてくだされ」
…………。
真剣な顔でそう言われた。
瞳は澄んでいて、そこに嘘はひとつもない。
けど。
ちょっと待ってね。
「婿……?」
「はい。拙者は三男ですから」
「そんなのますます笑い者よ!?
あなた、『音羽義貞』になるっていうの!?
そんなの、領主様やご両親がお許しになると思って!?」
「はい。どちらも、西条を救ってくださった夢見姫に、
多大な恩を感じておりますゆえ。
多分、大丈夫でしょう」
「多分って……」
なんだろう、この脱力感。
なんてのんきな男なんだ。