戦国より愛を込めて 【六花の翼・番外編】
「ですから、姫様が心配することは何もありません。
せっかくこの近くに屋敷も建てられるのですから、
ついでに離れも造らせましょう。
もちろん費用は拙者が出します。
そこから馬で城に通えますから」
「なによ、もう婿に来る気まんまんじゃない」
「はい。嫌ですか?」
にこり、と私に笑いかける博嗣。
それは反則だろう……。
というか、自覚してやっているなら、そうとう性質が悪い。
「……嫌じゃ、ないけど」
「良かった!では、明日にでも皆に報告しましょう」
「ま、待ってって。
子供たちに聞いてから……」
「それなら、すでに全員の了解は得ております」
「いつの間に!?」
「いやはや、篤姫様に、
『博嗣、お母様と契ってしまいなさい』と言われたときは、焦りました」