戦国より愛を込めて 【六花の翼・番外編】
「私も……
優しい博嗣が、好きよ」
緊張のあまり、仏頂面だったけれど。
それを聞いた博嗣は、
嬉しそうに、笑ってくれた。
「……あの、姫様……」
「何よ」
「実は博嗣は、幼名なのです。
できれば、義貞と……」
「そんなの知らないわよ。
あなたがそう名乗ったんでしょ?
じゃああなたも、私を呼び捨てにできる?
今すぐ主人らしく、偉そうにできる?」
まくし立てると、博嗣は困ったような顔をしたけど……。
次の瞬間、にやりと笑った。
「偉そうにして、いいんですか?」
「え?」
「主人らしくして、いいんですね?」
「ちょ、ちょっと……!」