戦国より愛を込めて 【六花の翼・番外編】
「でも……二人は、離れてしまうの」
私は、絡まる博嗣の腕を抱きしめた。
「彼は、あなたみたいに優しいの。
だけど、すごく自分に厳しい人よ。
今の自分ではダメだからと、泣く泣くまりあを手放すの」
「…………」
「私は、幸運ね。
あなたが、そばにいてくれる……」
「いますよ。
……ずっと、そばにいます」
博嗣の腕に、力がこもった。
ああ、私は間違いなく幸せの中にいる。