戦国より愛を込めて 【六花の翼・番外編】
──ねえ、最後の夢見姫。
あなたが最後で良かった。
あなたは私のように逃げなかった。
最後まで、愛する人達のために戦った。
私はあなたを、誇りに思うわ。
私はもう夢見姫を降りてしまったから、
この夢は記録には残されないけれど。
忘れないわ。
最後の伝説となった、あなたのことを。
目が覚めて彼がいなかったあなたは、どんなに悲しむことでしょう。
でも、大丈夫よ。
私は、最後の最後に見たの。
より美しく、強くなったあなたが。
大人になった彼に、六花が舞う中で、抱きしめられているのを──。