結婚、結婚してください!
美女の罠
…信じなきゃ…ね?
「ごめん、大樹…よく聞き取れなかった」
信じなきゃ……
『だからー、今日、夕食いらない。なんか、風ちゃんが作ってくれるって言うから』
携帯越しに聞こえる大樹の声
信じなきゃ…いけないのに…
「ふーん…そう」
『え?!怒ってる?!あ、もしかして、もう作っちゃった?!ごめんね?明日食べるよ!』
たぶん、大樹にそんな気は無いと思う
だから、別に夢崎さんと一緒にいたって何も無いハズ…
だから、気にしちゃダメ
「勝手にすれば?」
『え?ちょっ…瑠っーブチッ…ツー…ツー…』
信じてる…
でも、気になる…
イライラ、ヤキモチ、モヤモヤ…
それらを絶ち切るように通話を切った