結婚、結婚してください!
「風ちゃん…」
「何?大地くん」
大樹はそっと夢崎さんを離す
そして、笑う
「瑠璃はね。絶対に相手が痛がることはしないんだよ。自分が物凄く痛がりだからね」
「……ぇ?」
「だからね?瑠璃が彫刻刀で風ちゃんを傷付けるなんて有り得ない」
「で、でも…本当に私っ」
夢崎さんがそこまで言って言葉を詰まらせた
大樹が信じられないほど冷たく笑ったから…
「俺…瑠璃を泣かせた人にまで優しく出来るほど、大人じゃないんだ」
そう言うと、大樹は夢崎さんから離れて私に近づいてきた
そして、私の手に握られた彫刻刀を抜き取って近くの棚に置き…
私をぎゅっと抱き締めた