龍鬼と私。
面会時間が終わり、帰ることにした私たち。






三人で廊下を歩いていると、向かいから松葉杖をついて歩いてくる男の人がいた。
少し距離があったが、目が合うと私の心臓が飛び跳ねた。






いや、むしろ、痛いといった感じがした。
理由は分からない…。





ただ…なんとなく、目が合いたくないと思い亮汰に隠れるようにして過ぎ去った。







「どうした?知り合いか?殺っちまった奴か?」





亮汰が聞く。





「ううん、違うと思う。」





「顔色悪いけど?」





楓が言う。





「嘘つくなよ?何かあっても守ってやるから。」






亮汰が真剣に言う。





「ありがとう。だけど、ホントに分からないの。」





二人共不思議そうな顔をするが“なら、ィィんだ”と楓が言ってくれた。






家に着き、思い出そうとするが、考えると酷い頭痛が起きる。





一体なんなんだ。
私、どうしたんだろう。




殺ってしまった相手なら、ある程度覚えているはずなんだけど…。
族っぽくはなかったな………。





見た目で判断は良くないか。
これでも学習したつもり。





これ以上考えても、頭痛がするだけなので、寝ることにした。






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